「辞めたら損害賠償だ」と言われたときに知っておくこと
退職そのものを理由にした損害賠償は、原則として認められません。例外になるケース、相場、やってはいけない対応、相談先を整理します。
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結論:辞めること自体で賠償が認められることは、まずありません
退職は法律で認められた権利です(民法627条)。権利を行使したことを理由に損害賠償を求めても、裁判所は原則として認めません。さらに労働基準法16条は、「辞めたら違約金◯万円」のように、あらかじめ賠償額を決めておくことを禁止 しています。就業規則や誓約書にそう書いてあっても無効です。
「損害賠償だ」という言葉の多くは、辞めさせないための脅しです。その言葉だけで退職を諦める必要はありません。
例外的に問題になりうるケース
とはいえ、退職の仕方や在職中の行為によっては、会社が請求を検討するケースもあります。有期契約の途中で、引き継ぎもせず突然消えて具体的な損害が出た/横領や故意の情報持ち出しなど、退職とは別の不法行為がある/競業避止義務・秘密保持契約に違反して競合に移った/留学・資格取得の費用を「貸付」として借りていて、返済の約束がある といった場合です。
この場合でも、損害の存在と金額を証明する責任は会社側 にあります。「売上が落ちた」「採用費がかかった」程度では認められにくく、判例で認められた額も限定的です。会社が口にする「◯百万円」と、実際に請求できる金額はまったく別物です。
やってはいけない対応
口頭で謝る・認める:「迷惑をかけてすみません」は問題ありませんが、「損害を弁償します」と言ってはいけません。録音されていれば、あとで合意の証拠にされます。
書類にサインする:誓約書・念書・退職合意書に「損害を賠償する」「退職金を放棄する」といった文言があれば、その場でサインせず持ち帰ります。
給料から引かれるのを黙って受け入れる:賃金は全額払いが原則で(労働基準法24条)、会社が一方的に損害分を給料から差し引くことはできません。差し引かれたら未払い賃金として請求できます。
連絡を全部無視する:脅しであれば無視で終わることも多いですが、内容証明で本当に請求が届いた場合は、期限内に対応しないと不利になります。書面が来たら専門家に見せてください。
相談先と、退職代行を使うならどのタイプか
まず、やり取りをすべて記録します(メール・チャットの保存、口頭なら日時と発言のメモ)。無料の相談先として、都道府県労働局の 総合労働相談コーナー、法テラス(収入要件あり)、弁護士会の法律相談があります。
退職代行を使う場合は 弁護士型一択 です。損害賠償への反論や交渉は法律事務なので、民間型はもちろん、労働組合型も対応できません。「損害賠償」「懲戒解雇にする」と言われている状態で民間型に頼むと、業者が対応できず、かえって話がこじれることがあります。
弁護士型なら、退職の意思表示と同時に「以後の連絡は代理人へ」と通知でき、あなたが会社と直接やり取りせずに済みます。費用は5〜10万円前後ですが、賠償の脅しに1人で向き合うより安く済むことが多いです。
あわせて知っておきたいこと
「懲戒解雇にする」と言われても、退職届が届いたあとに懲戒解雇はできません。また懲戒解雇には就業規則上の根拠と相当性が必要で、退職を理由にはできません。
退職後に「損害賠償の請求書」が届いた場合も、まずは弁護士に見せてから返事をしてください。当サイトのランキングで運営タイプが「弁護士」の社を確認できます。
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